星よみコラム

2025-07-02 19:00:00

星の谷:番外編|『星の谷・U7課の極秘ファイル』〜時代はこうしてつくられる〜

天王星移動.png

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🌙 星の谷の住人たち

ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆
12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所

🕯 星の谷のはじまりのお話しは こちらから

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🔭 星のうごきを、物語で感じてみよう𓂃

2025年7月、変革の星・天王星が
牡牛座から双子座へとうつります

“モノと豊かさ”を見直す風を吹かせた
牡牛座のモノさんにかわって、

“ことばとつながり”を運ぶ
双子座のユラさんがやってきます

天王星は、気づかぬうちに
“あたりまえ”を書きかえる星

今回は、星の谷で記録されている
U7課・極秘任務ファイルをもとに
変革の物語をお届けします𓂃

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🏕 星の谷のワンシーン:番外編 
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星の谷・U7課の極秘ファイル
時代はこうしてつくられる
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🛰️ 秘密組織『 PX-13部・U7課 』とは?

星の谷から遠く離れた場所──
時代のアップデートを担う、秘密の組織がある

その名も──PX-13部

そのなかでも「U7課」は、
7年ごとに星の谷へと送り込まれる特命チーム

彼らは、未来をひらき、風を運ぶ
変革のプロフェッショナル集団「URANUS」

任務はただひとつ──
“新しい時代のアップデート”を、当たり前に根づかせること

担当する星座の領域に沿って、
価値観を書き換えていくエージェントたち

任務が完了すると、その存在は、
住人たちの記憶からふっと消えてゆく

でも、彼らが去ったあと──
不思議と変革の風は、暮らしの中に、息づいている


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🕊️ Episode01.
秘密任務完了・U7課 モノさんの7年間
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──ある夜、満天の星のもと

星の谷の南にある畑で、
一人、静かに作業をしていたモノさんのもとへ
完了を告げる電子音がピピっと鳴り響いた


* * *

 U7課ヨリ通達──牡牛座領域、任務完了
 コードネームMONO
 帰還モードヘ移行シテクダサイ


* * *

手にしていたジョウロの水が、
土に“ぽとん”と落ちた

「……もうそんな時期か」

モノさんは、しばらく空を見上げた
夜空には、天の川が淡く流れている

7年前、この星の谷にやってきたころは、
まだ「星の金貨」をそっと手渡しあっていた

形あるものを交換しないと、
“わかちあい”は始まらないと思われていた時代

けれど、この7年間で──
「ふれるだけで、伝わる」そんな風の交換が、
村のあたりまえになっていた

「豊かさは、数じゃない
 “持たんでも満たされる”ってことやで……」


翌日──
畑にモノさんの姿はなかった

土と野菜の匂いは残っていたけれど、
モノさんの記憶だけが、ふっと抜け落ちていた

でも…

「そういえば、
 前よりモノに執着しなくなった気がする」

「“交換”って、楽しいよね……
 気づいたら、自然とそうしてた気がするの」

住人たちから、
モノさんの記憶は消えていたけれど、
“あたりまえ”が、たしかに根づいていた


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🌬️ Episode02.
新任コードネーム・YURA 着任
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そして──
モノさんが姿を消してから、数時間後
2025年7月7日、夕方

星の谷の北の空に、ふわりと風が舞った

夕暮れの光をまといながら、
ひとつの乗りものが、ゆっくりと降りてくる

それは──
どこか懐かしくて、でもワクワクも詰まった
不思議な乗りものだった

「ふぅ、いい風だねぇ 𓂃𓈒𓏸」

ふわふわした髪に、すこしクセのある口調
荷物は少なく、手には丸めた紙の地図と
なぜか翻訳機のようなものをぶら下げている

星の谷に、
新たな住人「ユラさん」がやってきた

けれど…

その正体は──
コードネーム:YURA
PX-13部 U7課・双子座領域担当

ユラさんの耳元に、そっと交信音が流れる

* * *

 コレヨリ任務ヲ開始セヨ

 GEMINIフェーズ:
 更新対象ハ「言葉・関係性・情報構造」

 
 “伝エル”カラ “通ジル”ヘ
  風ノ設計図ヲ定着サセヨ


* * *

ユラさんは小さくうなずき、
空を仰ぎながら、ぽつりとつぶやく

「“話すこと”より、“通じる構造”かぁ」

「ふむふむ、なかなか奥深そうだねぇ𓂃𓈒𓏸」

足元の砂利が、ふっと宙に舞い
新しい風が、星の谷に入りはじめていた

星の谷では、
ただの“引っ越し”として、歓迎ムード

しかし、その裏では、
新しい“時代のアップデート”が静かに始まっていた


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🌟“あたらしい”が“当たり前”になるとき
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ある昼下がりの午後──

「“星の谷・自由交換所”って
 名前つけたの、わたしなんだよ?」

と、双子座さんがちょっと得意げに話しだす

「“あげる”じゃなくて、
 “巡らせる”ほうが、なんか風っぽくない?」


その隣で、ユラさんはふふっと笑いながら
「さすがだねぇ𓂃𓈒𓏸」と、軽く相槌を打つ


少し離れて、蠍座さんが湯気の向こうから
ユラさんをじーっと見つめていた

言葉にはしないけれど、
何かを感じ取っているような、その視線


その気配に気づいたユラさんは、

「……ん?……気付いてる?」
と、一瞬だけ目を泳がせた

「そんなわけないかぁ𓂃𓈒𓏸」

と、すぐに視線を逸らしながら、
空を見上げてつぶやいた

「…モノさん、ちゃんと根づいてるよぉ𓂃𓈒𓏸」

あたらしい風が、
星の谷をふわりと巡りながら

7年かけた、静かな革命が
また、“当たり前”の顔で始まっていく𓂃𓏸



* * おまけ * *


📁PX-13部・U7課|極秘観察ファイル

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提出者:コードネーム〈EYES〉🦂
配属先:星の谷・地下資料館 記録室
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🧳MONO(牡牛座領域)
任務期間:2018.5.16〜2025.7.7
担当テーマ:「物・豊かさ・価値」

【完了ログ】
☑︎ 星の金貨、自然に使われなくなる
☑︎ “巡る”文化が、村の当たり前に
☑︎ モノへの執着が、静かにゆるんでいく

【現場メモ】
MONO氏は任務を終え、帰還済。
畑には香りと、少しのぬくもりだけが残る。

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🌬YURA(双子座領域)
任務期間:2025.7.7〜2032.8.4
担当テーマ:「ことば・関係性・情報構造」

【観測ログ】
☑︎「伝える」より「伝わる」がじわりと浸透中
☑︎ 風チーム、天王星の周波数にチューニング済

【現場メモ】
ユラ氏、風にまぎれてすでに浸透しつつある。
※記録者が見られた可能性あり(調査中)

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✍️「あたりまえが変わるって、どういうこと?」

そんな問いが、ふと心に浮かんだあなたへ

ユラさんが運んでくる
“ことば”と“つながり”の風を、

もう少しだけ言葉で
静かに感じてみたくなったら──

天王星のうごきをもとに、
この変化の季節を読み解く読みものをどうぞ𓂃


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星と月とくらす Yuri



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