星よみコラム

2025-05-18 19:00:00

星の谷の住人たち|蠍座さんと 星灯(ほしび)まつり

蠍座さん.png


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🌙 星の谷の住人たち

ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆
12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所

🕯 星の谷のはじまりのお話しは こちらから

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🌕 星たちの関係性を、物語で感じてみよう𓂃

星座同士にも人間関係のように
じつは“ちょっとした関係性”があります

心地よく響きあったり
真逆だけど惹かれあったり
ときにはすれ違ったり──

読んでいくうちに
星たちの“関係性”も感じてみてくださいね𓂃𓈒𓏸


今回は──
🫖秋の真ん中に生まれた、蠍座さんが主役

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♏︎ 蠍座さん|記憶と想いを、静かに見守るひと


〜 村の資料館の管理人 〜

村の奥にある資料館には
古い言い伝えや、誰かの出せなかった手紙が眠っている

そこを静かに見守るのが、蠍座さんの役目

一度、心で結んだものは
かんたんにはほどけない

それを特別だとも思わない
「だって、そういうものだから」

本音は、深いところに住んでいて
ちょっとやそっとじゃ出てこない
(本人も、たまに行方を見失ってる)

お気に入りの詩集と
昔から変わらないパッケージのお菓子
それがあれば、心がやすらぐ

誰にも見せないけど
よく見て、よく覚えてる
でも、言わない

その背中に、ふっと安心する人もいる

今日もそっと
村の奥の扉の向こうで
だれかの想いを、だいじに守っている𓂃𓈒𓏸

𓂃

🌿 蠍座さんの小さなプロフィール


⋆特技⋆
オーラで語る(本人は無自覚らしい)
プロローグで犯人を察する(でも言わない)

⋆趣味⋆
星の木の観察日記(そろそろ10年目)
推しの記念日を、こっそりケーキでお祝い

⋆元気になる色⋆
ボルドー、アッシュピンク

⋆癒されるアロマ⋆
サンダルウッド、パチュリ、ローズ


𓂃

🏕️ 星の谷のワンシーン

〜 今回、登場する星たちの関係性 〜

◎ 魚座さん:価値観が似ていて安心できる存在
 (調和/120度)
  
◎ 牡牛座さん:正反対だけど深くつながれる存在
 (補完180度)
  
◎ 獅子座さん:ちょっとムッとすることも...
  でも、刺激をくれる存在(緊張90度)

さて、どんなふうに関わっているか
物語の中で感じてみてください𓂃𓈒𓏸

𓂃

🍿 星の谷をのぞく前に𓂃

この物語に出てくるキャラたちは 
星座(サイン)の特徴を
純度100%・生搾り(!?)で描いております𓈒𓂂

現実のわたしたちは  
いろんな星(天体)の性質が混ざり合って生きているので

「いや、私こんな性格ちゃうねんけど!?」
と思っても、ご安心を^^

星の谷では
各サインの“純粋なテンション”だけで  
ゆるっとお届けしています

どこかに、自分のかけらが見つかるかも ──  
そんな気持ちで、のんびり読んでもらえたらうれしいです◎


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📚『 蠍座さんと 星灯(ほしび)まつり 』

星の谷の奥にある資料館──

古い地図や祭りの記録、言い伝え、
表向きは、どこにでもある資料館

でも、いちばん奥の扉の向こうには
最後まで出せなかった手紙や
捨てられない贈りもの

誰かの手放せなかった想いが
そっと、保管されている

それらを、ずっと見守っているのが
蠍座さんの、もうひとつの役目だった



資料館を閉めると
蠍座さんは、毎晩どこかへと向かう

ランタンと記録帳を手に向かうのは、
大きな木がある、空にいちばん近い丘──

その木は『星の木』と呼ばれ
もう何年も花を咲かせていない

観察記録が十年たった頃、
枝のひとつに、小さな蕾をみつけた

「いよいよか……」
そう呟くと、彼女はそっと姿勢を正した



翌朝、蠍座さんは
蕾の意味を確かめるために
星の谷の古い資料を、そっと読み返していた

────
『星灯(ほしび)まつり』
─ 出典:星の谷のはじまりより ─

星灯まつりとは、
手放せなかった想いや願いを、空へ還すための習わしである。

誰かの準備がととのうと、星の木に蕾がつき、
その想いが空へ還ったとき、心の灯りとなると伝えられている。

— 実施の条件 —
・星の木が蕾をつけた年の、最初の新月に行うこと
・まつりの合図は、想いの守り人が知らせること
・まつりは、光を創る者の手で執り行うこと
────

蠍座さんは、パタンと資料を閉じた



その日の午後、
魚座さんがふわりと、資料館を訪ねてきた

「星の木の上に光が降ってくる夢を見たの」

蠍座さんは 深くうなずいた
「やっぱり……そうだよね」

それだけで、ふたりには十分だった



夕暮れどき、
資料館に牡牛座さんが訪ねて来て、ぽつりと言う

「そろそろ あの手紙……手放していいかも」

それは、もう何年も前からある手紙だった

「あなただったのね……」
蠍座さんは、胸の中でつぶやいた



翌日、蠍座さんは重い腰を上げ、
演出家の獅子座さんを訪ねた

星の谷で光を創る者──
獅子座さんで、間違いないはず

「次の新月、星灯まつりです」

「ついにきたね!
最高の光で還す準備をしておくよ」

迷いのない、太陽みたいな笑顔に
蠍座さんは、肩の力が少し抜けた



そして、
星灯(ほしび)まつりの夜──

風は止み、星の木のまわりには
もう手放してもいい想いや記憶が
小さな灯りとともに、集まってくる

獅子座さんの合図で
やさしく光を放ちながら、
次々と夜空へ還っていく


夜風にのって
魚座さんのハープの音が美しく響いていた

言葉にならない想いたちを
そっと包むような音色だった


ふと、蠍座さんは
牡牛座さんの姿を見つけた

資料館ではまだ少し寂しそうだった顔に
やわらかな笑顔が咲いていた

「これが、星灯まつりか……」

蠍座さんの心にも
小さな灯りが、ともった



翌朝の資料館、
とくに変わったようすはない

でも、奥の扉に眠る想いたちは
どこか、やわらかく 息づいているようだった


星の谷の奥深く──

蠍座さんは、今日も変わらず
まだ手放せない想いたちを
静かに、見守っています𓂃𓈒𓏸


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次回は、星の谷で秋と冬の間に生まれた
射手座さんをご紹介しますね𓂃

また、静かな村の風景のなかでお待ちしています🕯


星と月とくらす Yuri 


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