星よみコラム
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星の谷の住人たち|蠍座さんと 星灯(ほしび)まつり
ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆
12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所
🕯 星の谷のはじまりのお話しは こちらから
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🌕 星たちの関係性を、物語で感じてみよう𓂃
星座同士にも人間関係のように
じつは“ちょっとした関係性”があります
心地よく響きあったり
真逆だけど惹かれあったり
ときにはすれ違ったり──
読んでいくうちに
星たちの“関係性”も感じてみてくださいね𓂃𓈒𓏸
今回は──
🫖秋の真ん中に生まれた、蠍座さんが主役
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♏︎ 蠍座さん|記憶と想いを、静かに見守るひと
〜 村の資料館の管理人 〜
村の奥にある資料館には
古い言い伝えや、誰かの出せなかった手紙が眠っている
そこを静かに見守るのが、蠍座さんの役目
一度、心で結んだものは
かんたんにはほどけない
それを特別だとも思わない
「だって、そういうものだから」
本音は、深いところに住んでいて
ちょっとやそっとじゃ出てこない
(本人も、たまに行方を見失ってる)
お気に入りの詩集と
昔から変わらないパッケージのお菓子
それがあれば、心がやすらぐ
誰にも見せないけど
よく見て、よく覚えてる
でも、言わない
その背中に、ふっと安心する人もいる
今日もそっと
村の奥の扉の向こうで
だれかの想いを、だいじに守っている𓂃𓈒𓏸
𓂃
🌿 蠍座さんの小さなプロフィール
⋆特技⋆
オーラで語る(本人は無自覚らしい)
プロローグで犯人を察する(でも言わない)
⋆趣味⋆
星の木の観察日記(そろそろ10年目)
推しの記念日を、こっそりケーキでお祝い
⋆元気になる色⋆
ボルドー、アッシュピンク
⋆癒されるアロマ⋆
サンダルウッド、パチュリ、ローズ
𓂃
🏕️ 星の谷のワンシーン
〜 今回、登場する星たちの関係性 〜
◎ 魚座さん:価値観が似ていて安心できる存在
(調和/120度)
◎ 牡牛座さん:正反対だけど深くつながれる存在
(補完/180度)
◎ 獅子座さん:ちょっとムッとすることも...
でも、刺激をくれる存在(緊張/90度)
さて、どんなふうに関わっているか
物語の中で感じてみてください𓂃𓈒𓏸
𓂃
🍿 星の谷をのぞく前に𓂃
この物語に出てくるキャラたちは
星座(サイン)の特徴を
純度100%・生搾り(!?)で描いております𓈒𓂂
現実のわたしたちは
いろんな星(天体)の性質が混ざり合って生きているので
「いや、私こんな性格ちゃうねんけど!?」
と思っても、ご安心を^^
星の谷では
各サインの“純粋なテンション”だけで
ゆるっとお届けしています
どこかに、自分のかけらが見つかるかも ──
そんな気持ちで、のんびり読んでもらえたらうれしいです◎
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📚『 蠍座さんと 星灯(ほしび)まつり 』
星の谷の奥にある資料館──
古い地図や祭りの記録、言い伝え、
表向きは、どこにでもある資料館
でも、いちばん奥の扉の向こうには
最後まで出せなかった手紙や
捨てられない贈りもの
誰かの手放せなかった想いが
そっと、保管されている
それらを、ずっと見守っているのが
蠍座さんの、もうひとつの役目だった
資料館を閉めると
蠍座さんは、毎晩どこかへと向かう
ランタンと記録帳を手に向かうのは、
大きな木がある、空にいちばん近い丘──
その木は『星の木』と呼ばれ
もう何年も花を咲かせていない
観察記録が十年たった頃、
枝のひとつに、小さな蕾をみつけた
「いよいよか……」
そう呟くと、彼女はそっと姿勢を正した
翌朝、蠍座さんは
蕾の意味を確かめるために
星の谷の古い資料を、そっと読み返していた
────
『星灯(ほしび)まつり』
─ 出典:星の谷のはじまりより ─
星灯まつりとは、
手放せなかった想いや願いを、空へ還すための習わしである。
誰かの準備がととのうと、星の木に蕾がつき、
その想いが空へ還ったとき、心の灯りとなると伝えられている。
— 実施の条件 —
・星の木が蕾をつけた年の、最初の新月に行うこと
・まつりの合図は、想いの守り人が知らせること
・まつりは、光を創る者の手で執り行うこと
────
蠍座さんは、パタンと資料を閉じた
その日の午後、
魚座さんがふわりと、資料館を訪ねてきた
「星の木の上に光が降ってくる夢を見たの」
蠍座さんは 深くうなずいた
「やっぱり……そうだよね」
それだけで、ふたりには十分だった
夕暮れどき、
資料館に牡牛座さんが訪ねて来て、ぽつりと言う
「そろそろ あの手紙……手放していいかも」
それは、もう何年も前からある手紙だった
「あなただったのね……」
蠍座さんは、胸の中でつぶやいた
翌日、蠍座さんは重い腰を上げ、
演出家の獅子座さんを訪ねた
星の谷で光を創る者──
獅子座さんで、間違いないはず
「次の新月、星灯まつりです」
「ついにきたね!
最高の光で還す準備をしておくよ」
迷いのない、太陽みたいな笑顔に
蠍座さんは、肩の力が少し抜けた
そして、
星灯(ほしび)まつりの夜──
風は止み、星の木のまわりには
もう手放してもいい想いや記憶が
小さな灯りとともに、集まってくる
獅子座さんの合図で
やさしく光を放ちながら、
次々と夜空へ還っていく
夜風にのって
魚座さんのハープの音が美しく響いていた
言葉にならない想いたちを
そっと包むような音色だった
ふと、蠍座さんは
牡牛座さんの姿を見つけた
資料館ではまだ少し寂しそうだった顔に
やわらかな笑顔が咲いていた
「これが、星灯まつりか……」
蠍座さんの心にも
小さな灯りが、ともった
翌朝の資料館、
とくに変わったようすはない
でも、奥の扉に眠る想いたちは
どこか、やわらかく 息づいているようだった
星の谷の奥深く──
蠍座さんは、今日も変わらず
まだ手放せない想いたちを
静かに、見守っています𓂃𓈒𓏸
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次回は、星の谷で秋と冬の間に生まれた
射手座さんをご紹介しますね𓂃
また、静かな村の風景のなかでお待ちしています🕯
星と月とくらす Yuri