星よみコラム

2025-05-19 19:00:00

星の谷の住人たち|#09 射手座さんが、新しい地図を広げるとき

星の谷の住人たち|射手座さんが、新しい地図を広げるとき


🌙 星の谷の住人たち

ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆

12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所

星座同士にも人間関係のように
じつは“ちょっとした関係性”があります

ぜひこの場所で星たちの関係性を
物語で感じてみてくださいね


🍿 星の谷が初めましての方へ
まずは、はじまりの物語をお読みください
[星の谷はじまりの物語へ]


🏕 今回は──
秋と冬の間に生まれた
射手座さんが主役

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〜 登場する星たちの関係性 〜

・牡羊座さん:調和/120度
価値観が似ていて安心できる存在

・双子座さん:補完/180度
正反対だけど深くつながれる存在

・乙女座さん:緊張/90度
ちょっとムッとすることも...
 でも、刺激をくれる存在
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

📚
#09:射手座さんが、新しい地図を広げるとき

射手座さんは
毎晩、焚き火をしながら
夜空を見上げるのが日課だった

その夜は、
火の揺れ方がいつもと違っていた

なんとなく気付いていた──
(そろそろ “どこか” が呼んでいる)

……それは まだ知らない自分の声かもしれない

空を見上げて、そう思ったとき
ある人の顔が浮かんだ

𓂃

翌朝、向かったのは、
いつものハーブ屋さん

「遅かったわね、今日も」

乙女座さんが、
カウンターの奥から現れて、腰に手をあてる

「今週中に取りに来てって言ったに…
 聞いてたの?」

「うん、うん、聞いてたよ〜
 でも、今日は来たから、セーフでしょ?」

「ぎりぎりね」

射手座さんはちょっと笑って
出されたブレンドハーブを受け取った


「財布は? 地図は? あと、メモとか」

「あるある……たぶん」

「“たぶん”って何よ」

乙女座さんはあきれながらも
小さな袋を差し出した

飴、絆創膏、予備のタオル──

「いつもありがとう
 ……これで、安心して迷えるや」

乙女座さんはため息をひとつ

「ほんと、ほっとけないんだから」

とブツブツ言いながら、
いつもの仕事に戻っていった

𓂃

広場を通ると風のように、
双子座さんが駆け寄ってきた

「ねぇねぇ聞いて!地図にない場所に
 星のカケラが落ちてたらしいの
 拾ったら願いが叶うって話で──」

「……それ、どこの情報?」

「となり村の誰かの
 誰か……の夢の話かも?笑」

射手座さんは、ふと立ち止まった

(ワクワクする…
 でも、それって本当に探す意味があるのかな?)


風の音が、
すこし遠くなったような気がした

𓂃

そのとき、背後から声がした

「……ワクワクするなら、行ってみない?」

びっくりして、ふり返ると──

牡羊座さんが準備万端の顔で
リュックを背負い、空を見上げている

「……って、なんでいるの? 
 誘ってないけど?笑」

「風がいい感じだったから」

どこまでもピュアで、まっすぐな目

「ほら、行こうよ!」

射手座さんは肩をすくめて、ふっと笑った

始まりの火をくれるのは、やっぱりこの人だ


空を見上げると
雲のかたちは、さっきよりも自由で
風もまた、ゆっくりと動きはじめていた

「さぁ、出発しよう!」

射手座さんと牡羊座さんの足音が
風の音とまじわりながら重なっていく

𓂃

射手座さんが旅に出るのは
まだ知らない自分に出会うため

そして、その背中が
誰かの 新しい地図をそっとひらくこともある

星の谷には、射手座さんの
「あなたはどこへ行きたい?」の声が

今日もあたたかい風にのって、
ひろがっていくのです𓂃𓈒𓏸


星と月とくらす Yuri  

𓂃

📗 星の谷|キャラ図鑑

♐︎

Sagittarius

まだ見ぬ世界へ、わくわくを届けるひと

▪︎特技
フェスも哲学も、全力で楽しめる
風の匂いで方向とタイミングがわかる

▪︎趣味
偉人の名言をこっそり手帳に書きためる
旅に出る(ちょっとそこまでが別の国)

▪︎元気になる色
ターコイズブルー、サフランイエロー

▪︎癒されるアロマ
ジュニパー、メイチャン、ベルガモット

〜 村の旅の案内人 〜

地図とコンパスを片手に
「こっち、行ってみない?」
と、風のように誘う
 
知らないことにワクワクして
答えのない問いにも、真っすぐ夢中になれるひと
 
「ほんとうの幸せって、なんだろう?」
 
そんな話をする時間が、
実はいちばん好きだったりする
 
誰といても自然体でいられるけど──

いつの間にか、
自分のリズムを置いてきてしまうことがある
 
でも、旅に出ればすぐ思い出す
「やっぱり、世界はおもしろい」ってこと
 
「後悔? してるヒマないって〜!」
 
そう言って笑う声が、気づけば誰かの
旅のはじまりになっている𓂃𓈒𓏸
 
そして旅から帰ると──
たいてい財布をどこかに忘れている
(それもまた冒険)
 
TOP