星よみコラム

2025-05-22 18:00:00

星の谷の住人たち|山羊座さんが、はじまりを支えるとき

山羊座さん.PNG


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🌙 星の谷の住人たち

ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆
12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所

🕯 星の谷のはじまりのお話しは こちらから

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🌕 星たちの関係性を、物語で感じてみよう𓂃

星座同士にも人間関係のように
じつは“ちょっとした関係性”があります

心地よく響きあったり
真逆だけど惹かれあったり
ときにはすれ違ったり──

読んでいくうちに
星たちの“関係性”も感じてみてくださいね𓂃𓈒𓏸


今回は──
❄️冬のはじまりに生まれた、山羊座さんが主役

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♑︎ 山羊座さん|未来の土台を、そっとととのえるひと


〜 村の建築士 〜

村の建築士である山羊座さんは、
完成図が見えてから動きだす

だから、無駄がない
慌てない、途中でブレない

落ち着いて見えるのは
やることが決まっているから

自分にも人にも、まっすぐでいたいひと

そのまなざしに“厳しさ”を感じるときは、
きっと、どこかにごまかしがあるとき

本気でがんばってる人には
とってもあたたかい

やさしさは、だいたい行動で伝わるタイプ

誰かを引っ張ろうとはしない
でも、仕組みや土台を整えて
気づけば、みんなが立てる場所をつくってる

「山羊座さんがいると安心する」
って言葉に弱いのは、ヒミツ

今日も──
山羊座さんがつくった基盤のうえで
この谷の暮らしがまわっていく𓂃𓈒𓏸


𓂃

🌿 山羊座さんの小さなプロフィール

⋆特技⋆
海外旅行でも小さなかばんひとつで行ける
集合場所にいつも一番はやく着いてる
(先回りのプロと呼ばれてる)

⋆趣味⋆
毎朝、同じ手順でコーヒーを淹れて整う
村の滝めぐり(いつか滝行したいと思ってる)

⋆元気になる色⋆
モスグリーン、スモーキーラベンダー

⋆癒されるアロマ⋆
ベチバー、サイプレス、フランキンセンス

𓂃

🏕️ 星の谷のワンシーン

〜 今回、登場する星たちの関係性 〜

◎ 牡牛座さん:価値観が似ていて安心できる存在
 (調和/120度)
  
◎ 蟹座さん:正反対だけど深くつながれる存在
 (補完180度)
  
◎ 天秤座さん:ちょっとムッとすることも...
  でも、刺激をくれる存在(緊張90度)

さて、どんなふうに関わっているか
物語の中で感じてみてください𓂃𓈒𓏸

𓂃

🍿 星の谷をのぞく前に𓂃

この物語に出てくるキャラたちは 
星座(サイン)の特徴を
純度100%・生搾り(!?)で描いております𓈒𓂂

現実のわたしたちは  
いろんな星(天体)の性質が混ざり合って生きているので

「いや、私こんな性格ちゃうねんけど!?」
と思っても、ご安心を^^

星の谷では
各サインの“純粋なテンション”だけで  
ゆるっとお届けしています

どこかに、自分のかけらが見つかるかも ──  
そんな気持ちで、のんびり読んでもらえたらうれしいです◎


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📚『 山羊座さんが、はじまりを支えるとき 』

今回は、星の谷のみんなが
もう少し若かった頃のお話し𓂃𓈒𓏸


「やっぱり、わたしには無理かも……」

蟹座さんはバスケットを抱えて、
足元を見つめていた

その中には、
新しい食堂の試作スープが入っている

あたたかい湯気とやさしい香り
けれど、本人は浮かない顔だった

「……誰も来なかったら、どうしよう」

山羊座さんは
蟹座さんのとなりに立ち、ぽつりと言った

「じゃあ、ちょっと寄り道しようか」



まず訪れたのは、アンティーク雑貨店
──牡牛座さんのお店

店に入ると、
木と紅茶の香りにふわりと包まれる

「牡牛座さんが、
 初めて相談に来たときはね……」

山羊座さんが話しかけたとき、

「……何も説明できなかったよね」
牡牛座さんが、微笑みながらあらわれた

「“たぶん、こういうのが落ち着く”って、
 それしか言えなかったの」

山羊座さんも、そっと笑う
「でも、それが一番、伝わってたと思うよ」

「言葉が足りなくても、山羊座さんは、
 ちゃんと“わたし”を読んでくれたんだと思う」

そう言って牡牛座さんは、
茶葉の缶を手渡してくれた

「新しいお店にどうぞ
 わたしのいちばんのお気に入り」

蟹座さんは、胸に抱くように受け取った



つぎに訪れたのは、村のギャラリーカフェ
──天秤座さんのお店

柱の前に立つと、
山羊座さんがふっと苦笑いする

「……ここはね、正直、大変だった」

「えっ、そうなの!?」

目を丸くする蟹座さんの前に
ライラック色のストールが揺れる

「ようこそ〜♪
 今日は建築現場じゃなくておさんぽ?」

天秤座さんは嬉しそうに
思い出し笑いをこぼす

「あのとき、山羊座さんすごい顔してたよね〜」

「“この柱、細いほうが可愛い!”って、10回は言った!」

山羊座さんは肩をすくませながら、
「……結果的に、この柱、人気なんだよな」とポツリ

天秤座さんはくすくす笑いながら、
店の奥から小箱を持ってきた

「これ、あなたのお店にも合うと思う」
中には、真鍮の小さなベル

「音って、気配にもなるから
 ドアにつけるといいよ♪」

蟹座さんが、ベルをそっと鳴らす
カラン、と軽やかな音が響いた



帰り道、ふたりは少しだけ静かに歩いた

蟹座さんが、
ふと立ち止まってつぶやいた

「……ねえ、
 あの草の広場に食堂があったら、どう思う?」

山羊座さんは、
すこしだけ口元をゆるめて答えた

「朝の光がよく入るし、風も通る
 ──火を入れるには、ちょうどいい場所だと思う」

蟹座さんは、小さくうなずいた
「……わたし、やってみようかな」

その言葉を、
山羊座さんは、ただ静かに受けとった



── それから数年後
あの広場には、朝から湯気のたつ食堂がある

窓を開け、火を入れるのは、
あの日の蟹座さん

山羊座さんが、
ゆるんできたテーブルの脚をしめていると

「ちょっと、朝から飛ばしすぎよ〜」
蟹座さんの声がふわりと飛んできた

そして、甘さひかえめのプリンが
そっと差し出される

不安そうに足元を見ていた
蟹座さんはもういない──


今日もまた、山羊座さんは
星の谷で土台をととのえながら
みんなの未来を、静かに支えている𓂃𓈒𓏸


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次回は、星の谷で冬の真ん中に生まれた
水瓶座さんをご紹介しますね𓂃

また、静かな村の風景のなかでお待ちしています🕯


星と月とくらす Yuri 


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