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星の谷の住人たち|山羊座さんが、はじまりを支えるとき
ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆
12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所
🕯 星の谷のはじまりのお話しは こちらから
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🌕 星たちの関係性を、物語で感じてみよう𓂃
星座同士にも人間関係のように
じつは“ちょっとした関係性”があります
心地よく響きあったり
真逆だけど惹かれあったり
ときにはすれ違ったり──
読んでいくうちに
星たちの“関係性”も感じてみてくださいね𓂃𓈒𓏸
今回は──
❄️冬のはじまりに生まれた、山羊座さんが主役
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♑︎ 山羊座さん|未来の土台を、そっとととのえるひと
〜 村の建築士 〜
村の建築士である山羊座さんは、
完成図が見えてから動きだす
だから、無駄がない
慌てない、途中でブレない
落ち着いて見えるのは
やることが決まっているから
自分にも人にも、まっすぐでいたいひと
そのまなざしに“厳しさ”を感じるときは、
きっと、どこかにごまかしがあるとき
本気でがんばってる人には
とってもあたたかい
やさしさは、だいたい行動で伝わるタイプ
誰かを引っ張ろうとはしない
でも、仕組みや土台を整えて
気づけば、みんなが立てる場所をつくってる
「山羊座さんがいると安心する」
って言葉に弱いのは、ヒミツ
今日も──
山羊座さんがつくった基盤のうえで
この谷の暮らしがまわっていく𓂃𓈒𓏸
𓂃
🌿 山羊座さんの小さなプロフィール
⋆特技⋆
海外旅行でも小さなかばんひとつで行ける
集合場所にいつも一番はやく着いてる
(先回りのプロと呼ばれてる)
⋆趣味⋆
毎朝、同じ手順でコーヒーを淹れて整う
村の滝めぐり(いつか滝行したいと思ってる)
⋆元気になる色⋆
モスグリーン、スモーキーラベンダー
⋆癒されるアロマ⋆
ベチバー、サイプレス、フランキンセンス
𓂃
🏕️ 星の谷のワンシーン
〜 今回、登場する星たちの関係性 〜
◎ 牡牛座さん:価値観が似ていて安心できる存在
(調和/120度)
◎ 蟹座さん:正反対だけど深くつながれる存在
(補完/180度)
◎ 天秤座さん:ちょっとムッとすることも...
でも、刺激をくれる存在(緊張/90度)
さて、どんなふうに関わっているか
物語の中で感じてみてください𓂃𓈒𓏸
𓂃
🍿 星の谷をのぞく前に𓂃
この物語に出てくるキャラたちは
星座(サイン)の特徴を
純度100%・生搾り(!?)で描いております𓈒𓂂
現実のわたしたちは
いろんな星(天体)の性質が混ざり合って生きているので
「いや、私こんな性格ちゃうねんけど!?」
と思っても、ご安心を^^
星の谷では
各サインの“純粋なテンション”だけで
ゆるっとお届けしています
どこかに、自分のかけらが見つかるかも ──
そんな気持ちで、のんびり読んでもらえたらうれしいです◎
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📚『 山羊座さんが、はじまりを支えるとき 』
今回は、星の谷のみんなが
もう少し若かった頃のお話し𓂃𓈒𓏸
「やっぱり、わたしには無理かも……」
蟹座さんはバスケットを抱えて、
足元を見つめていた
その中には、
新しい食堂の試作スープが入っている
あたたかい湯気とやさしい香り
けれど、本人は浮かない顔だった
「……誰も来なかったら、どうしよう」
山羊座さんは
蟹座さんのとなりに立ち、ぽつりと言った
「じゃあ、ちょっと寄り道しようか」
まず訪れたのは、アンティーク雑貨店
──牡牛座さんのお店
店に入ると、
木と紅茶の香りにふわりと包まれる
「牡牛座さんが、
初めて相談に来たときはね……」
山羊座さんが話しかけたとき、
「……何も説明できなかったよね」
牡牛座さんが、微笑みながらあらわれた
「“たぶん、こういうのが落ち着く”って、
それしか言えなかったの」
山羊座さんも、そっと笑う
「でも、それが一番、伝わってたと思うよ」
「言葉が足りなくても、山羊座さんは、
ちゃんと“わたし”を読んでくれたんだと思う」
そう言って牡牛座さんは、
茶葉の缶を手渡してくれた
「新しいお店にどうぞ
わたしのいちばんのお気に入り」
蟹座さんは、胸に抱くように受け取った
つぎに訪れたのは、村のギャラリーカフェ
──天秤座さんのお店
柱の前に立つと、
山羊座さんがふっと苦笑いする
「……ここはね、正直、大変だった」
「えっ、そうなの!?」
目を丸くする蟹座さんの前に
ライラック色のストールが揺れる
「ようこそ〜♪
今日は建築現場じゃなくておさんぽ?」
天秤座さんは嬉しそうに
思い出し笑いをこぼす
「あのとき、山羊座さんすごい顔してたよね〜」
「“この柱、細いほうが可愛い!”って、10回は言った!」
山羊座さんは肩をすくませながら、
「……結果的に、この柱、人気なんだよな」とポツリ
天秤座さんはくすくす笑いながら、
店の奥から小箱を持ってきた
「これ、あなたのお店にも合うと思う」
中には、真鍮の小さなベル
「音って、気配にもなるから
ドアにつけるといいよ♪」
蟹座さんが、ベルをそっと鳴らす
カラン、と軽やかな音が響いた
帰り道、ふたりは少しだけ静かに歩いた
蟹座さんが、
ふと立ち止まってつぶやいた
「……ねえ、
あの草の広場に食堂があったら、どう思う?」
山羊座さんは、
すこしだけ口元をゆるめて答えた
「朝の光がよく入るし、風も通る
──火を入れるには、ちょうどいい場所だと思う」
蟹座さんは、小さくうなずいた
「……わたし、やってみようかな」
その言葉を、
山羊座さんは、ただ静かに受けとった
── それから数年後
あの広場には、朝から湯気のたつ食堂がある
窓を開け、火を入れるのは、
あの日の蟹座さん
山羊座さんが、
ゆるんできたテーブルの脚をしめていると
「ちょっと、朝から飛ばしすぎよ〜」
蟹座さんの声がふわりと飛んできた
そして、甘さひかえめのプリンが
そっと差し出される
不安そうに足元を見ていた
蟹座さんはもういない──
今日もまた、山羊座さんは
星の谷で土台をととのえながら
みんなの未来を、静かに支えている𓂃𓈒𓏸
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次回は、星の谷で冬の真ん中に生まれた
水瓶座さんをご紹介しますね𓂃
また、静かな村の風景のなかでお待ちしています🕯
星と月とくらす Yuri