星よみコラム

2025-05-28 13:30:00

星の谷の住人たち|#11 水瓶座さんと、風と未来の放送局

星の谷の住人たち|水瓶座さんと、風と未来の放送局


🌙 星の谷の住人たち

ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆

12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所

星座同士にも人間関係のように
じつは“ちょっとした関係性”があります

ぜひこの場所で星たちの関係性を
物語で感じてみてくださいね


🍿 星の谷が初めましての方へ
まずは、はじまりの物語をお読みください
[星の谷はじまりの物語へ]


🏕 今回は──
冬の真ん中に生まれた
水瓶座さんが主役

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〜 登場する星たちの関係性 〜

・双子座さん:調和/120度
価値観が似ていて安心できる存在

・獅子座さん:補完/180度
正反対だけど深くつながれる存在

・蠍座さん:緊張/90度
ちょっとムッとすることも...
 でも、刺激をくれる存在
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

📚
#11:水瓶座さんと、風と未来の放送局

水瓶座さんは、
朝からめずらしく、そわそわしていた

今日は、ラボ広場にできた放送局が
はじめて音を鳴らす日だった

きっかけは、
いつかの双子座さんとのやりとり──
「この村にも、放送局、つくろうよ」

ふたりの「わくわくの種」が
星の谷に、ここからひろがっていく

𓂃

その日の正午、
できたばかりの放送局から
はじまりの音楽が流れ出す𓂃♪

「はろはろ〜♪ DJ双子です!」

「いよいよ本日より、
 “風と未来のラジオ”はじまりまーす!」

マイクの前には、
双子座さんとゲストの獅子座さん

水瓶座さんは、
ブースの隅で黙々と音量を調整していた

ことばの風が、ちゃんと届いているか──
一番深く聴いていたのは、水瓶座さんだった

𓂃

番組の終わり、
双子座さんがハガキを取り出した

「さ〜て、お悩みコーナーのお時間♪
 “未来の風にきいてみた”です!」

────
ラジオネーム:「深海の民」

もう何年も推し活をしています。
でも、恥ずかしくてライブには行けません。  
周りにも“好き”って言えていなくて……

この前、推しカラーのグッズを見つけて、
「ちょっとならバレないかも」と思ったけど、
結局、買えませんでした。

このまま、こっそり応援していてもいいのでしょうか?
────

「うれしいなぁ♪
 こういうの、来てほしかったんだよね」

𓂃

「獅子座さん、どう思います?」

獅子座さんは少し考えてから、
やわらかく口を開いた

「“好き”って、出せない日もありますよね」

「でも、心の中にあるなら、その気持ちは、
 もう十分届いてるんだと思います」

「おおお、沁みる…」

双子座さんがうなずいたあと、
ブースの隅を向く

「水瓶座さんは?どう思う?」

「……ぼく、ただの機材係なんだけど」

水瓶座さんは、つぶやきながら
静かにマイクのボリュームを上げた

「こっそり応援するって、
 その人だけの静かな自由だと思うんです」

「誰に言わなくても、見せなくても
 その気持ちを自分で大事にできてたら…

 それだけで、
 もうすごく美しいんじゃないかなって」


一瞬、スタジオの空気がやわらかくなる𓂃

ひとりは光のあたたかさで  
もうひとりは、風のまなざしで──  
それぞれの“好き”をそっと肯定していた

𓂃

「どっちも名言すぎる…ステッカーにしよ」

双子座さんは、封筒をごそごそした

「“深海の民”さん、ありがとうございました!
 名言入りステッカー、送っておきます♪」

「……今、作ったの?」
水瓶座さんがつぶやく


双子座さんは
にこっとウインクしてみせた

「さて来週も〜」  
双子座さんが軽やかにマイクに向かう

「水瓶座さんと一緒に、
 みなさんのお悩みに風を送りまーす♪」

「……ぼく、ただの機材係なんだけど」

水瓶座さんの声が流れた頃には  
エンディング曲が始まっていた──


今日もまた、水瓶座さんは
星の谷を吹きぬける それぞれの風に

「そのままでいい」と、
小さくうなずいてくれるのでした𓂃𓈒𓏸


──数日後、資料館の蠍座さんの机の上  

名言ステッカーと、推しカラーの花が
そっと飾られていたらしい𓂃


星と月とくらす Yuri  

𓂃

📗 星の谷|キャラ図鑑

♒︎

Aquarius

未来からひらめきを受信するひと

▪︎特技
当たり前に染まらない
新しいものに、すぐ手をのばせる

▪︎趣味
拾ったものから、未来の道具をつくる
ミステリーサークルづくり
(宇宙人の気持ちを知るためらしい)

▪︎元気になる色
ペールブルー、シルバーグレー

▪︎癒されるアロマ
ユーカリ、ネロリ、ミルラ

〜 風と未来のラボ広場の館長 〜

星の谷の風がよく通る丘に
『風と未来のラボ広場』がある
 
宇宙交信アンテナ
植物の声をひろうマイク
AIが答えてくれるポスト──
 
そこにいるのが、水瓶座さん
 
いつの間にか「館長」と呼ばれている
名乗ったこともないし、気にしてない
 
誰にでもフラットで
人でもAIでも、宇宙人でも
同じ距離で話すひと
 
本人は、特別なことだとは思っていない
ただ、同じように話してるだけ
 
感情だけに流されることもない

でも、“不公平な風”が吹いているときは
ふいに、声をあげることがある
 
そのときの火は、静かで、まっすぐ
 
夜になると、塔の上で
空と交信しているらしい
 
ふいにひとつ、ひらめきが降りてきて
そこからいつも、あたらしい風がうまれている𓂃𓈒𓏸
 
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