星よみコラム

2025-05-30 18:30:00

星の谷の住人たち|#12 魚座さんと、月の光につつまれる夜

星の谷の住人たち|魚座さんと、月の光につつまれる夜


🌙 星の谷の住人たち

ここは、内なる世界に広がる『 星の谷 』𓂃⋆

12人の星座が、それぞれのリズムで暮らす場所

星座同士にも人間関係のように
じつは“ちょっとした関係性”があります

ぜひこの場所で星たちの関係性を
物語で感じてみてくださいね


🍿 星の谷が初めましての方へ
まずは、はじまりの物語をお読みください
[星の谷はじまりの物語へ]


🏕 今回は──
冬と春の間に生まれた
魚座さんが主役

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
〜 登場する星たちの関係性 〜

・蟹座さん:調和/120度
価値観が似ていて安心できる存在

・乙女座さん:補完/180度
正反対だけど深くつながれる存在

・射手座さん:緊張/90度
ちょっとムッとすることも...
 でも、刺激をくれる存在
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

📚
#12:魚座さんと、月の光につつまれる夜

星の谷のはずれ、湖のほとり──
満月の日、魚座さんは小さな書斎で
夢の続きを綴っていた

「これは、たぶん…あの人の気持ちだな」

誰かの涙の余韻
言葉になる前の想い

誰にも頼まれていないけれど
魚座さんはそれを受けとっている

書きあげた詩は
新聞の小さなコラム欄にそっと差し出す

そして、いつものように
最後にひとこと添えておく

* * *

今夜、湖に月の光がかかります
“心のサウナ” そっとひらきます
ととのうかどうかは、月しだい𓂃𓈒𓏸

* * *


夜空に満月が輝くころ
魚座さんは湖へと向かった

月の光をたどって
ひとつひとつ石を並べながら
やわらかく語りかける

「今日はこの子が真ん中かな」
石たちはうれしそうに月光浴していた

キャンドルに火を灯すと、
水面がやさしくきらめく

──それはまるで、月のしずくのようだった

𓂃

「今日はちょっと冷えるから、
 ひざ掛け持ってきたよ」

そう言って現れたのは、蟹座さん

水筒に入ったハーブティー
マイキャンドル、ヨガマット──

さすが “心のサウナ”の常連である

「これがないと、
 わたしの一ヶ月は はじまらないの」

そうつぶやいて、静かにヨガマットを広げる

魚座さんが ふと話しかける
「今日のハーブティー、月のハーブなんだね」

蟹座さんはにこっと笑って
湯気のたつカップをそっと差し出した

「はいどうぞ……あなたもゆっくりしてね」

魚座さんはうれしそうにカップを受け取った

𓂃

そのあとすぐに、乙女座さんがやってきた
手にはきれいにラベルが貼られた紙袋

────
月光浴ブレンド:ハーブ3種入り
(カモミール+レモンバーム+ローズ)
────


「“心のサウナ”って書いてたから、
 ドライハーブ持ってきたよ」

「……蒸すのは、気持ちなの」

魚座さんのひとことに
蟹座さんが吹き出しそうになっている


乙女座さんは、少し首をかしげていたけれど

魚座さんがすぐにフットバスを用意して
ドライハーブを浮かべてくれた

蒸気と香りに包まれながら
乙女座さんは静かに月を見上げた

𓂃

最後にやってきたのは、射手座さん

「来るつもりなかったけどさ
 歩いてたら、足が勝手にここに向いてた」

そう言って、草の上にごろんと寝転ぶと
胸ポケットから、小さな袋を取り出した

「これ、旅で拾った“星のカケラ”
 願いが叶うって言われてたけど……
 何を願えばいいかわかんなくてさ」


魚座さんは“星のカケラ”を受け取り
しばらく目を閉じて、ぽつりとつぶやいた

「……この子が、ここに連れてきてくれたのね
 願ってなくても、ほんとうに欲しいものって
 ちゃんと届くのかもしれないよ」


射手座さんは、ふっと笑う
「たしかに……癒やされたかったのかも」

その横顔には、いつもの自由なまなざしと
言葉にならないやわらかさがにじんでいた

𓂃

星の谷のはずれ、湖のほとり──
満月の夜だけ そっとひらかれる、“心のサウナ”

それぞれが、それぞれのままで
月の光のもとにあつまる夜

魚座さんの不思議な空気につつまれながら

星の谷の住人たちは
不思議と心がかるくなっているのでした𓂃𓈒𓏸


星と月とくらす Yuri  

𓂃

📗 星の谷|キャラ図鑑

♓︎

Pisces

夢と音をあつめるひと

▪︎特技
夢の中でも、会話ができる
言葉になる前の気持ちを受けとる

▪︎趣味
お昼寝(夢の続きを見にいくのが日課)
お気に入りの石と一緒に月光浴する

▪︎元気になる色
ミストブルー、シェルピンク

▪︎癒されるアロマ
ジャスミン、ローズウッド、ミルラ

〜 星の谷の詩人 〜

星の谷の幻想的な湖のほとり──
そこには魚座さんの小さな暮らしがある
 
現実と夢の間を、ふわふわ歩きながら
 
水面に月がひかる夜は、
ボートに寝転び 空を見上げる
 
そして、昨日の夢の続きをたしかめる
 
詩や音、香りや夢──
ことばになる前の“なにか”を集めては
 
誰かの想いにそっと寄り添う
 
いちばん揺れてる誰かに
自然と共鳴しては
 
「まだ手を離したくない」って
思ってしまうのは、きっと彼女
 
感情があふれて、迷子になったり
その想いが、いつのまにか
村をカオスに巻きこむこともある
 
だけど、その寄り添う手に
救われる誰かがいるのも、たしかなこと
 
今日もまた──
魚座さんからあふれだした想いが
谷のどこかを やさしく包みこむ𓂃𓏸
 
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