星よみコラム

2025-07-28 19:30:00

星の谷ツアー|#03 風の小道 ─ ことばの通い路(3ハウス) ─

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🚂 はじめに|星の谷ツアーって?

このページは、星たちの暮らす“12の場所”──

西洋占星術のホロスコープでいう
「ハウス」をめぐる小さな旅です𓂃𓈒𓏸

1ハウスから12ハウスまで、
それぞれの場所の風景を物語にのせてご紹介していきます

🌿はじめましての方や
星の谷の世界をくわしく知りたい方は

[星の谷ツアーのしおり] へどうぞ 🗺


さて、今回は──
星の谷の「風の小道」へ出発です𓂃🍃


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🧭星の谷ツアー|風の小道
(3ハウス)

朝の光が少しだけやわらかくなったころ──

射手座さんたちは
 🍃“風の小道” へと足を踏み入れた

ここは、星の谷のなかでも
暮らしと、声の重なりがいちばん近い場所

風にのって飛び交うおしゃべり
掲示板に貼られた誰かの言葉

パン屋の角では、ご近所さんたちが
「ねぇ、聞いて?」と声をかけてくる

通りを行き交う人たちは
それぞれ、楽しそうにおしゃべりしていた

どの会話も長くは続かないけれど
不思議と心がかるくなっていく

小さくてにぎやかな道には
風が吹きぬけ、たくさんの言葉が運ばれていた

𓂃

🌬「この小道は、いつ来てもにぎやかですね」
射手座さんが、ふわっとつぶやいた

射手座さんの装いは、
ポケットのたくさんついた旅ベスト

手にはメモ帳と虫取り網
万年筆が入ったポーチに変わっていた

「風の小道は、“声の交差点”とも
 言われてるんですよ」

「誰かの思いつきが、別の誰かのヒントになる
 手紙も、うわさも、詩も、お散歩も──
 この場所では、みんな“情報”になるんです」

そう言って、小さな十字路を曲がると──

「チリン♪」とベルを鳴らしながら
そよ風に乗って、一台の自転車がやってきた

𓂃

🚲「どうも〜!こんにちは♪」
あらわれたのは、双子座さん

ラジオを聴きながら
カゴには虫取り網が入っていた

Tシャツに目をやると、オリジナルのプリント
*********

 MECHA HIMA.

*********

「このへん、言葉がよく育つんだよね〜
 気を抜くと、すぐ空に飛んでっちゃうんだ」

そう言って、双子座さんは
虫取り網を手に持ちながら

「さっきなんて “めっちゃ暇〜!” って
 つぶやいたの…」
 
「そしたら、おばあちゃんの横に飛んでって
 “そんな時間も大事”って言われて泣いた〜」


なごやかな空気のなか、
誰かの声が、ふわっ聞こえてきた

「誰かと話してただけなのに
 いつもより自分のこと話せてた気がする…」


双子座さんは、にんまりと笑う

「わかるなぁ〜!」

「ちゃんと聞いてくれる人がいると言葉って
 自分の奥から出てくる気がするよね」


射手座さんも、静かにうなずいた

「たぶんね、“ことば”って
 一方通行じゃなくて、“通い路”なんだよね」

𓂃

それぞれ、“言葉の迷子センター”や
“ことばの雑貨店”をのぞきながら
にぎやかな風の小道を、ゆっくりと歩いた

そのあいだも、色んな声が交差していく
誰かが話し、誰かが頷き、誰かが笑っていた


この道を通ると

やりとりの中で“わたし”がはっきりしてくる

それはきっと
気づかないうちに芽を出した
小さな好奇心の種のようなもの🌱


ポケットにひとつ、好奇心を詰めて
一行は、風の小道をあとにした──


「さあ、そろそろ次の場所へ向かいましょう
 つぎは──“根ざしの家”へ出発です」

今度は、“自分の根っこ”に
ふれるような時間がはじまります𓂃𓈒𓏸


* * おまけ * *

📘星の谷マガジン

創刊号|星の谷の扉:12の場所をめぐる旅

✦ ✦ ✦

#03|風の小道──

『 ことばの通い路で、行き交う日々 』

星の谷の、北東にある “風の小道”──

この場所に来ると
やわらくて、あたたかい風が
いつもふわりと吹き抜けていく

焼きたてのパンに、コーヒーの香り
ラジオの声や、みんなのおしゃべり

行き交う声たちは
風にゆられ、ひととき重なり、また広がる

ただ、めぐるだけで、あたたかい

ここでのやりとりが
わたしの輪郭を“はっきり”させてくれる


✦ ✦ ✦

👒編集部おすすめスポット
『言葉の迷子センター』
うっかり出た言葉たちが、保護されている場所
※昔つぶやいた“黒歴史ポエム”が見つかって赤面する人も

🧘‍♀️編集部おすすめワークショップ
『ことばTシャツラボ』
虫取り網でキャッチした“ことば”をプリント
世界に一枚のオリジナルTシャツに! 
※どんな言葉が捕まるかは、風まかせ

✦ ✦

🫧 編集部からのひとこと
一人で考え込むよりも、誰かとのおしゃべりが
あなたをいちばんよく映すこともあるんです


📎発行:星の谷マガジン編集部

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星と月とくらす Yuri 

🌙 星の谷から星の教室へ

西洋占星術を基礎から学べる教室をひらいています𓂃𓏸

▶︎ 星の教室のご案内はこちら
2025-07-08 19:00:00

星の谷ツアー|#02 恵みの丘 ─ わたしの宝物(2ハウス) ─

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さて、今回は──
星の谷の「恵みの丘」へ出発です𓂃🍯


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🧭星の谷ツアー|恵みの丘
(2ハウス)

はじまりの広場をあとにして
ゆるやかな坂道をのぼっていくと──

あたたかな光に包まれた景色が広がっていた


🍯ここは、星の谷の「恵みの丘」──

まるくゆるやかな丘には
果実の木と、ベリーの茂みが広がり
足もとは、ふかふかの草

空を見上げれば、鳥の声といっしょに
甘い風がとおりぬけていく

射手座さんがふと立ち止まり、つぶやいた

「この丘に来ると、なんだか
 “前からあった”って気持ちになるんです」


今日の射手座さんは、
リネンのシャツに、使い慣れた革のポーチ
中には、色んな国のコインと──
小さなスプーンが、ひとつ

歩きながら、気になる果実を手にとっては
「あっ、これは美味しいやつ」
と、にこにこしている

𓂃

🧺丘の上に向かうと──
牡牛座さんの姿があった

「よかったら、一緒にお茶を飲みませんか?」

木陰の下にクロスを広げながら
小さな瓶をていねいに並べている

「今日はラズベリーと
 ローズのジャムを持ってきました」

「まぜるとね、ちょっとだけ──
 初恋の味がするんですよ」

そう言ってふふっと笑うその横には
お気に入りのティーカップと
バターを塗ったパンが置かれていた


🥄射手座さんも、そっと話し出す

「この丘はね、“いまあるもの”に
 気づかせてくれる場所なんです」

「わたしって、どんな味が好きかな?
 どんな感触に、ほっとするんだろう?」

「答えはね…
 すでに持ってるんですよね。自分の中に」

「“ないもの”に目を向けて疲れたときは
 ここに来て、ひとくち分の
 幸せを思い出すんです」


🫖牡牛座さんが、カップを差し出しながら言う

「たとえば、これ──
 『ちゃんと味わう』って、
 すごく豊かなことなんですよ」

ジャムをひとくち味わって、
みんなが、そっと目をとじると

「あぁ、こんなふうに、
 今あるものを感じるだけで
 自分が満たされていくんだな」と気づく

──風がそよぎ、甘い香りがふわっと舞った🍃


射手座さんは、
その様子を見てうれしそうに微笑んだ

「この丘は、
 “自分にとっての豊かさ”とつながる場所」

「誰かのものじゃなくて、
 “自分だけの感覚”を信じていいんですよね」

持っているものを、誰かと比べなくていい
それぞれに“わたしの宝物”がある

ここは、自分の中に“ある”を感じられる場所

「ゆっくりでいいですよ」

射手座さんの声を聞きながら、 
ここにいるひとりひとりが── 
自分の中の“ある”を、じんわりと感じていた


「さあ、そろそろ次の場所へ向かいましょう
 つぎは──“風の小道”へ出発です」

今度は、“言葉とつながり”を
感じる旅がはじまります𓂃𓈒𓏸


* * おまけ * *

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創刊号|星の谷の扉:12の場所をめぐる旅

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#02|恵みの丘──

『 わたしの“ある”に、ふれる 』

星の谷の、東と北のあいだにある“恵みの丘”
やわらかな光と、あたたかな土の上で──

ふと気づくのは、
「もう、自分の中にある」という感覚

好きな味、心地よい音、肌ざわり

たくさんじゃなくていい
誰かとおなじじゃなくていい

この丘は、そっと教えてくれる
「こんなにも、わたしの中にあったんだ」と

自分の豊かさに気づいたとき
心が、じんわりと満たされていく


✦ ✦ ✦

👒編集部おすすめスポット
『ねころびの樹の木陰』
「自分の好き」を思い出す場所
なくした“お気に入り”が、返ってくるという噂
※靴下の片方がよく見つかります

🧘‍♀️編集部おすすめワークショップ
『“ある”を数えてみるワーク』
香り、音、手ざわり──
今“ここにある”感覚を、受けとるワークです
※ここで見つけた“ある”はお持ち帰りOK

✦ ✦

🫧 編集部からのひとこと
「もっと」がしんどいときは、
「すでにあるもの」に立ちかえってみて。
“好き”や“安心”は、いつだって
あなたの中から、生まれているんです。


📎発行:星の谷マガジン編集部

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星の谷ツアー|#01 はじまりの広場 ─ わたしが立つ場所(1ハウス) ─

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🚂 はじめに|星の谷ツアーって?

このページは、星たちの暮らす“12の場所”──

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「ハウス」をめぐる小さな旅です𓂃𓈒𓏸

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それぞれの場所の風景を物語にのせてご紹介していきます

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さて、今回は──
星の谷の「はじまりの広場」へ出発です𓂃🌞


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🧭星の谷ツアー|はじまりの広場
(1ハウス)

「おはようございます!」

ツアーの集合場所には
朝の光をまとった射手座さんが
にこっと笑顔で立っていた

今日は、透けるような白いシャツに
赤いラインの入ったスカーフをきゅっと巻いて
足もとは、歩きやすいキャンバスのスニーカー

コンパスのついた腕時計をくるっと回して
「さあ、旅のはじまりですよ」と声をひとつ


🌞ここは、星の谷の東のはしっこにある
「はじまりの広場」
──

朝いちばんの光が、まっすぐに差しこみ

風も、音も、
まだうまれる前のような静けさが流れている

誰にも決められていない
“わたしのかたち”が、
ふわっと立ちあがるような場所𓂃

射手座さんは、
ゆっくりと歩き出しながら、語りかける

「この広場はね、
 まだ何も始まってないからこそ、
 “わたしって、どんなひと?”って
 問いが自然に浮かんでくる場所なんです」


「だからここでは、
 かっこつけなくても、
 誰かと比べなくてもいい」


「“自分でいる”って、
 たぶんそういうことなんですよね」


🌱少し歩いた先で──
広場の真ん中に立っているのは、牡羊座さん

もうすでにストレッチを終えて
今日の一歩目を踏み出す準備はばっちり

「ん〜〜、この空気!
 今日もわたし、
 ちゃんと“わたし”してる〜!」

その姿は、誰よりも自然体で
誰よりも今、この場所を楽しんでいる

そして、
まわりにいる他のツアーの参加者たちも
すこしずつ表情がゆるみはじめていた

さっきまで背中を丸めていた人が
すっと背すじを伸ばして

「おはよう」と小さな声で
はじめての言葉を口にする

“わたしがここにいる”という感覚が
静かに、でも確かに満ちていく──

射手座さんは、
そんなみんなの様子を見ながら
やさしく微笑んだ

「この広場には、不思議な魔法があるんです」

「“わたし”を始める準備は、
 もうできてるんだよって──
 ちゃんと教えてくれるんですよね」


「さあ、そろそろ次の場所へ向かいましょう
 つぎは──“恵みの丘”へ出発です」

今度は、“わたしの持っているもの”に
静かに目を向けていく時間がはじまります𓂃𓈒𓏸



* * おまけ * *

📘星の谷マガジン

創刊号|星の谷の扉:12の場所をめぐる旅

✦ ✦ ✦

#01|はじまりの広場──

『 わたし、はじめます 』

星の谷の東にひろがる、
“はじまりの広場”

まだ何者でもない
“わたし”が、ふと立ち止まる場所

朝の空気は、
ちょっとひんやりしていて

鳥の声や風の音が、
ふだんよりもすこし大きく聴こえる

ここを訪れる人たちは、
なんだかみんなそわそわしてる
でも、それも悪くない

なにかが始まりそうな予感に、
心がすこしずつほどけていく──


✦ ✦ ✦

👒編集部おすすめスポット
『名もなき標識』
「← わたし」「→ わたし」「↑ わたし」──
どっちを選んでも、自分に出会う道しるべ
※日によって表示が変わります

🧘‍♀️編集部おすすめワークショップ
「わたしのリズムを見つける」時間
ただ、“今のわたし” に耳をすますワーク
(うっかり寝てもOKです)

✦ ✦

🫧 編集部からのひとこと
はじまりの広場は、
目的を決めていなくても大丈夫。

ただ立って、ただ歩いて、
ただ深呼吸してみて。

“わたしの輪郭”がふわりと浮かびあがる、
そんな旅の入口です。


📎発行:星の谷マガジン編集部


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2025-07-04 10:00:00

星の谷ツアーのしおり|12の場所をめぐる旅

旅の始まり1.png


このページでは、
西洋占星術で使われる「ハウス」という世界を

やさしい小さな物語にして
これから少しずつ綴っていきます

占星術がはじめましての方も
どうぞ気軽に楽しんでいってくださいね𓂃𓈒𓏸



🚂ようこそ「星の谷ツアー」へ𓂃𓈒𓏸

ここから始まるのは、
“星の谷の12の場所”をめぐる 小さな旅

それぞれの場所には、名前があります──
「ひかりの舞台」「静寂の森」「風の窓辺」…

12の場所を巡りながら
星たちの暮らしを感じてみてくださいね

(はじめましての方は…)
🕯星の谷のはじまりのお話しは こちらから




🏡星たちが暮らす“場所”

わたしたちの中には
それぞれの星座(サイン)だけじゃなく
星たちが過ごす「場所(ハウス)」があります

その場所は、12のエリアに分かれていて

朝、東の空から光が差し込み
昼、風が吹きわたるテラスで誰かと語らい
夜は、安心できる場所で、そっと心をほどく

そんな風に、星たちも
それぞれ、必要な場所で過ごしています𓂃



🍿星の谷ツアーに出かけるまえに

「ハウス」と「サイン」
似てるけどちょっとちがうってお話𓈒𓂂𓂃


この物語に登場するのは、
星の谷にある12の“場所”──
「ハウス」と呼ばれるものです

ときどき、その場所とよく似た
“星の住人(サイン)”が
ふらりと顔を出すこともありますが…

じつは、よく見ると ちょっとちがうのです

今回は「ハウス」がメインの旅𓈒𓂂𓏸

くわしい違いのお話は、またあらためて…
まずはゆるっと、雰囲気をお楽しみください𓂃




🌄星の谷の1日のめぐり

朝──東の地平線(ASC)から陽が昇り
正午には、空のいちばん高い場所(MC)へ

夕方、西の空(DSC)へ陽が沈み──

やがて夜がふけたころ
星たちはそれぞれの“家(IC)”で
静かに 休息のときを過ごします

空のなかを、星たちは
朝に昇り、夜に沈んでいきます──

けれど、ここでは“1日のめぐり”ではなく
“心の成長プロセス”として、
1ハウスから順にご案内していきます𓂃




🧭旅の案内人

この旅を一緒にめぐってくれるのは、
村の旅の案内人・射手座さん

「行き先? それは歩きながらのお楽しみ」

なんて、地図とコンパスを片手に
風のように現れては、またどこかへ

🎒ハウスごとに変わる、
“射手座さんの衣装”も、こっそりお楽しみに♪

これから、どんな道を歩くのでしょうか

さぁ──
星の谷の“12の場所”へ、出発です𓂃𓈒𓏸


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🕊 星の谷をめぐる、小さな旅路へ

ここでは、
物語の舞台である“12の場所”をご案内しています

気になる場所から、
そっとのぞいてみてくださいね𓂃𓈒𓏸

🗺 星の谷の12の場所

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🏕 星の谷シリーズ

星の谷はじまりの物語はこちら𓂃

▶︎ 12星座と物語
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